8/28(金)開催 若山正人「21世紀を変える数学の可能性」
■イベント概要
21世紀を変える数学の可能性
「数学」という言葉を聞くとどんなことを思い浮かべますか?
挫折しかけた学生時代?それとも、言葉で説明するには困難な世界を数行でまとめてしまう美しさでしょうか?
「数学は言葉である」
“自然という書物は数学という言葉で語られている”とはガリレオ・ガリレイの有名な指摘です。じっさい、自然の摂理や現象を説明する、あるいはそこに潜む問題の解決のため、数学者たちが挑んできた言語や概念の開発とその延長上にある数学的事実(真理)の発見,そしてその体系化が数学です。
しかしいまや、数学は自然科学に対する言葉にとどまりません。数学により多くの科学・技術、とくに近年では計算機性能の飛躍的向上を基盤として産業や情報社会が発展してきました。それにも関わらず、未だ日本の産業で使用されている数学の多くは19世紀の数学の延長だと言われています。
では今、21世紀の数学者たちは何を研究し、情報で溢れ返るこの世の中をどう見ているのか。そして数学を取り入れることで、産業社会はどのように変わっていく可能性があるのか。数年前には考えられなかった新しい産業数学「Mathematics for Industry」の世界や可能性を垣間見ていただけます。
■講演者プロフィール
九州大学 理事・副学長
マス・フォア・インダストリ研究所 教授
若山 正人 (わかやま まさと)
代数学・幾何学・解析学が交わる現代数学の研究領域である表現論、とくにその整数論・ゼータ関数、数理物理への応用研究が専門。加えて10年ほど前より、数学の産業応用とそれに関わる人材育成に強い関心をもち、2011年には、わが国初の産業数学の研究所である九州大学マス・フォア・インダストリ研究所(文部科学省共同研究・共同利用拠点)の創設に関わる。
「絶対カシミール元」、「技術に生きる現代数学」(岩波書店)などの著書・編著書のほか、学術誌Pacific Journal of Mathematics for Industry や叢書 Mathematics for Industry (Springer) の編集長をつとめている。
近年は、量子計算機の基盤となる量子光学における物理モデルのスペクトル解明への表現論からの探求とその数論的側面の考察に従事している。
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