REPORT2023.05.16

ローカル5G合同検証会にFLARE SYSTEMSが参加しました

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4月27日(木)、東京大学の中尾彰宏教授が委員長を務める「ローカル5G普及研究会」が合同検証会を実施。13の企業が集まったこの検証会に、支援先スタートアップである株式会社FLARE SYSTEMSが参加しました。会場となった東京大学のNakaoLabには、それぞれが持ち寄った最新技術のシステムがズラリ。合同でアプリケーションの検証とネットワークエリア設計・構築の検証を行い、最後にそれぞれの企業が検証結果を報告しました。

今回FLARE SYSTEMSは、NECネッツエスアイ株式会社とともに検証を実施。FLARE SYSTEMSのローカル5Gシステム上でNECネッツエスアイの音声サービス(電話、トランシーバー)を動かし、データの測定を行いました。

さらに、会場にはFLARE SYSTEMSが販売予定の実証機を展示。これは、インターネットに接続するだけでローカル5Gの実証が可能となる、高性能かつ小型の実証機となっています。この実証機は、NEC・東京大学・NECプラットフォームズが共同開発した「移動・自律運用可能な通信ソリューションの実証機」を屋内用小型機として市場展開するものです。FLARE SYSTEMSがこれまでに提供している従来型と比べ、1/4の小型化[寸法:(幅)130×(高さ)189×(奥行)357mm]、約90Wとさらなる省電力化を実現。設置場所を選ばず、すぐにローカル5Gネットワークを構築することが可能になります。さらに高出力となったことで、実際のフィールドにおいて本システムとローカル5G端末の間が1kmの距離で通信ができることを実証しました。これらの特徴によって、さまざまなユースケースを検証する環境に迅速に対応することができます。
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そして、このローカル5G基地局と株式会社東芝の分散型アンテナシステム(DAS)を組み合わせて、新しいソリューションを実現。分散型アンテナシステムとは、基地局が送受信する電波を光信号に変換して伝送・分配することで、通信エリアを拡張するシステムです。アンテナを分散させて基地局を1つにすることで、大学や高層ビルなどの部屋やフロア数が多い建物でも低コストで5G化を実現。複数の基地局を置くことで起こる電波の干渉も防ぐことができます。消費電力は、このシステムを一式まとめても電子レンジ1台分より少ないそう。今回の展示では、屋外でフォークリフトに踏まれても故障しないほど、丈夫な光ファイバーを使用していました。今後、災害時やイベントなど、さまざまなシーンに使えるシステムです。

また東京大学は、開発に成功した超小型ソフトウェア無線ボードを紹介。小型化することでどのPCにも接続でき、簡単に5G基地局化できるといいます。昔はハードウェアの基地局でサイズも大きく、機能も固定的でしたが、ソフトウェアで作ることによって機能のアップデートが可能になり、普通のPCで実験ができるようになってきているとのこと。

さらに、このソフトウェア無線ボードを搭載したローカル5Gシステムについても紹介。このローカル5Gシステムは、FLARE SYSTEMSが販売予定の実証機よりも更に小型で、低消費電力のコア一体型となっています。防水対策が取られているため、屋外にも設置可能になるそうです。現在、東京大学で研究開発されていますが、今後FLARE SYSTEMSでも製品化されるのかもしれません。

屋外で利用するシーンは増えており、東京大学と山梨県富士山科学研究所が連携し、富士山で災害対策・減災活用を想定したローカル5Gシステムと衛星インターネットアクセスサービスを接続する技術実証にも成功したといいます。

そして最後に、それぞれの企業が検証結果や感想を報告しました。

東京大学・中尾教授
「今回の検証会は、前回と比べるとすぐにシステムを動かすことができて、やっぱり技術として進化したのかなという印象を持った。このようにまたみんなで集まり、技術の発展を目指していきたい。さらに今後は、アプリケーションの方面ももう少し推進していきたい。」

FLARE SYSTEMS・中川氏
「今回、NECネッツエスアイさんとの音声サービスの検証では、結果的に品質もよく、Wi-Fiで動かしたときよりも低遅延だと感じた。定量的なデータも取れたので、これを参考にしながら我々のシステムの改善を図っていきたい。また今回は最新のシステムも展示させていただいたが、今後も常に進化をしながら、さらに新しいものを皆様にご披露できるように頑張りたい。」

また、5GMF アプリケーション委員会委員長である株式会社インフォシティの岩浪氏もあいさつを行い、「皆さんの本日の成果をいかに大々的に発信していくかが大事」と述べました。

このように、みんなでディスカッションをしながら実証実験を行うことで、ますますローカル5Gの発展が加速していくのではないでしょうか。今後、このDevcafeでも発信を続けてまいります。