「第3回 ローカル5G合同検証会」にFLARE SYSTEMSとstuが参加しました
1月23日(火)、東京大学の中尾彰宏教授が委員長を務めるローカル5G普及研究会は、NEC玉川ルネッサンスシティホールにて「第3回 ローカル5G合同検証会」を実施。この検証会に、支援先スタートアップである株式会社FLARE SYSTEMSと株式会社stuが参加しました。
今回は、FLARE SYSTEMSが2012年から共同研究を実施している東京⼤学の中尾研究室と合同で出展。そもそもローカル5Gは、ロボットを動かしたい、映像ソリューションを作りたいなど、サービスやアプリケーションを提供したいというような現場から求められるため、ローカル5Gを普及するためにはアプリケーションとの連携が必須になります。そこで今回はstuが参加し、2023年9月にiPhoneとの接続を確認したFLARE SYSTEMSのローカル5Gシステムを使って検証を実施。iPhoneを使ってカメラ映像、LiDAR情報、人物骨格検知情報を送り、ローカル5G基地局を通してパソコンで受信するという実証実験を行いました。このLiDARと人物の骨格検知はiPhone独自の機能です。
まず、基地局とアンテナが設置されたシールドテント内にiPhoneを置き、人物を模したフィギュアを撮影。iPhoneと基地局をつなげることで、その撮影した情報がパソコンに送信され、映像が映し出されるという仕組みです。
こちらは結果として無事に接続、受信を確認することができました。今後stuでは、こうした情報をもとに、例えばアーティストの方のAR的なエフェクトを出すなど、エンターテイメントに活かしていきたいとのこと。これまでローカル5Gにつながる端末は少ない状況にありましたが、stuの齋藤氏は「iPhoneがつながったことで既存のアプリが使えるなど、iPhoneでしか撮影できない映像も増え、演出の幅も広がっていく」と話しました。
さらにFLARE SYSTEMSの基地局は一体型なので、1台で電源を入れるだけでローカル5Gエリアが構築でき、基地局を設置するための専門的な人材がいなくても、アプリケーションの提供者自身で手軽に設置することができます。また、技術においても広帯域で超低遅延、高セキュリティ、実機128台の同時接続を検証済みであるという特徴があり、高いパフォーマンスが実現可能です。このようなローカル5Gを最大限に活かす技術がアプリケーションとの連携につながり、そしてローカル5Gの普及を促進していくのではないでしょうか。
この合同検証会の最後に、東京大学の中尾教授が全体の総括を行いました。
「これだけのコンテンツを持っている我々が集まって、お互いに勉強しながら、どんどん進化するローカル5G技術を体感できる機会は非常に重要であり、今回も本当におもしろかった。この場ではまだ展示という雰囲気になってしまうが、今後は工場や富士山など、実際に技術が使われている現場をみんなで見に行くというような企画があってもいいのではないか。こうやって経験を重ねる中で、そういった気持ちが生まれてきたことも進化の一つだと思う。また今回、みんなでそれぞれのブースをツアーのように回り、各社に説明をしていただいた上でいろいろな質問もさせていただいたが、せっかく素晴らしいツアーだったので、これをこの場にいる人だけではなく、外部の人も記録として見られるように形として残していくといいのではないか。実際にローカル5Gを使おうと思っている人たちに向けて、我々としてもより良いものを発信していきたい。」
このように、今回の合同検証会もそれぞれが進化しながら、お互いの技術を共有し合う貴重な機会となったようです。こうしたコミュニティが、ローカル5Gの発展をますます加速させていくのではないでしょうか。今後もDevcafeでは、その動向について発信を続けてまいります!