DPSJ「EDIX東京 2025」初出展レポート:教育分野におけるICT活用の最新動向

2025/05/02
DPSJ「EDIX東京 2025」初出展レポート:教育分野におけるICT活用の最新動向

放送業界向けの映像・音声機材を取り扱う専門商社(代理販売店)であり、インフォシティグループの一員でもあるDPSJ株式会社が、今回初めて教育総合展「EDIX(エディックス)東京 2025」に出展しました。これを機に、教育分野におけるICT活用の最新動向と、グループ会社DPSJの取り組みをDevcafeスタッフが取材しました。

EDIXは、教育関係者を対象とした日本最大の展示会であり、文部科学省や経済産業省をはじめとする教育関連の官公庁・機関が後援しています。2025年は4月23日(水)から25日(金)までの3日間、東京ビッグサイトにて開催。学校・教育機関、企業の人事・研修部門などから多くの関係者が来場し、3日間の来場者数は23,858人を記録しました。

DPSJ:放送業界の知見を活かし、教育現場の映像DXを支援

放送業界向けの映像・音声機材の代理販売を手掛ける当社グループのDPSJも今回初めてEDIXに出展。放送現場で培ってきた高度な映像技術や製品知識を教育分野に応用すべく、世界各国の導入事例を交えながら最新のソリューションを提案しました。

Yealink「ミーティングバー A40」

AI機能により、発言中の話者を自動でクローズアップ表示。まるで対面で会話しているかのような臨場感で、遠隔授業やオンラインミーティングの質を向上させます。

インフォシティグループ・株式会社テクノネットの開発システム【参考展示】

OBSBOT社のPTZカメラ「Tail Air」を汎用ジョイスティックコントローラーで直感的に操作し、最大200箇所のカメラ位置を記憶・呼び出し可能なシステムを展示。ハイブリッド授業や講義収録の効率化に貢献します。

Salrayworks「NoT (NDI of Things)」【参考展示】

NDIネットワーク上で映像・音声だけでなく、照明、カーテン、空調なども統合制御できる「NDI of Things」のコンセプトを提案。韓国の教育現場での活用事例を交え、スマートな学習環境の未来像を紹介しました。

Magewell USBキャプチャデバイス

高画質・低遅延な「USB Capture HDMI Gen 2」などを展示。イギリスのビジネススクールでの導入実績を紹介しつつ、個人所有デバイスを活用するBYOD(Bring Your Own Device)環境でのオンライン授業や映像収録への活用を提案しました。

会場で見られた注目技術と各社ブース

会場全体としては、AIを活用した学習管理システム(LMS)や校務支援システム、電子黒板などの展示が特に多く見られ、教育現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)への関心の高さがうかがえました。

会場は、教育現場の多様な課題に対応するため、以下の7つの専門エリアで構成されており、各エリアで最新の製品やサービスが展示されていました。

「EDIX東京2025」会場案内図はこちら

業務支援エリア
校務支援システム、業務効率化ツール、コミュニケーションプラットフォームなど、教職員の働き方改革をサポートするソリューション
教材・コンテンツエリア
デジタル教材、映像教材、インタラクティブコンテンツ、教科書、補助教材など、多様な学習スタイルに対応する高品質な教材・コンテンツ
STEAM・探究学習エリア
プログラミング教材、ロボット、理科実験器具、探究学習プログラムなど、児童生徒の創造力や問題解決能力を育成するための教材やソリューション
ICT機器エリア
教育現場のICT環境整備に向けた、タブレット、PC、電子黒板、プロジェクター、ネットワーク機器などの最新機器
教育DXエリア
AIを活用した学習支援システム、LMS、データ分析ツールなど、教育現場のデジタルトランスフォーメーション(DX)を促進する革新的なソリューション
人材育成・研修エリア
教員向け研修プログラム、スキルアップセミナー、eラーニングコンテンツなど、教育者の能力向上を支援する多様なプログラムやサービス
施設・サービスエリア:
学校施設の設計・施工、家具・備品、安全対策、清掃・メンテナンスなど、安全で快適な学習環境を整備するための製品やサービス

これらのエリアで注目を集めていた出展企業の一部をご紹介します。

富士ソフト株式会社
オンライン教育や不登校支援に対応する「FAMcampus(アバターで通うバーチャル教育空間)」、教科書教材のデジタル化を容易にする「みらいスクールプラットフォーム」、校内情報配信と授業で活用できる「みらいスクールステーション」などを提案
パナソニック コネクト株式会社
新世代キャンパスにおけるイノベーション・コモンズ実現に向け、「スマートキャンパス」と「共創の場」を組み合わせたキャンパス改革を提案

ソフトバンク株式会社
GIGAスクール構想から大学DX、最新AI活用事例まで、幅広いコンテンツを提案。3日間で計24のセミナーと26のソリューション展示を実施
株式会社デジタル・ナレッジ
生成AIの教育活用ツール「Teacher’s Copilot」、デジタルバッジを活用したスキル管理、レディメイドコンテンツ、教育コンテンツの海外展開支援などのソリューションを提案
ソニーマーケティング株式会社
教室AVシステム、遠隔授業システム、AI映像解析サービス、DXハイスクールなどを展示。ソニーの先進技術・製品を活用し、シームレスで高品質な学びを提供する、新しい時代の学習環境整備を提案
シャープ株式会社
クラウド型授業支援・学習支援システム、電子黒板、指導者・学習者用端末などを展示。「独自アプリケーションによる学びの質向上」「最新機器による充実した学校生活」「STEAM教育の具体事例を含む先端教育の創出」の3つのテーマで提案

GIGAスクール構想の現在と未来:「NEXT GIGA」へ

近年、教育現場で急速に進められてきた「GIGAスクール構想」。これは、文部科学省が2019年に提唱し、全国の小・中・高等学校等における高速大容量ネットワークと児童生徒1人1台端末の整備を進め、ICTを効果的に活用した教育環境の実現を目指したものです。

現在は、このGIGAスクール構想の第2期ともいえる「NEXT GIGA」への移行期にあり、整備されたICT環境の更新やさらなる進化が求められています。

今回のEDIXでは、このNEXT GIGAを見据え、整備された端末をより高度に活用するための児童生徒向け・教員向けの最新端末や、校務の効率化を図る校務支援・校務DX関連のソリューションが大きな注目を集めていました。教育現場におけるDXの重要性と、それに対する期待の高さが改めて示されたと言えるでしょう。

なお、6月11日(火)から13日(木)には、インテックス大阪にて「EDIX大阪」が開催される予定です。関西地区の教育関係者の皆様は、そちらにもご注目ください。

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