Interop Tokyo 2025:未来を拓くICTの祭典

2025年6月11日から13日までの3日間、幕張メッセで開催された国内最大のICTイベント「Interop Tokyo 2025」。今年も多くの企業が出展し、最先端の技術やソリューションが展示され、会場は終日、熱気と活気に包まれました。
国内最大級のICTイベント「Interop Tokyo」とは
「Interop Tokyo」は、インターネットテクノロジーの進化と共に歩んできた、日本を代表する歴史あるICTイベントです。毎年、国内外の主要なICT関連企業が一堂に会し、最新のネットワーク技術、クラウドサービス、セキュリティソリューション、AI、IoTなど、幅広い分野の技術展示が行われます。
業界の専門家やリーダーが集い、未来のICT社会について深く議論する、貴重な情報交流のプラットフォームとしての役割も担っています。
開催規模と来場者層
Interop Tokyoは、その規模において国内最大級を誇り、今年の「Interop Tokyo 2025」では、延べ136,875人もの来場者を記録しました。これは前年(2024年)の来場者数124,482人と比較して約10%の増加となり、本イベントへの関心が一層高まっていることを示しています。来場者の多くは、企業のIT担当者、システムエンジニア、ネットワーク管理者、研究者、経営層といった、ICT分野に深く関わるプロフェッショナルです。彼らにとって、最新技術の動向を把握し、自社のIT戦略やビジネスモデルを検討するための重要な情報収集の場となっています。

主要なコンテンツ
● 展示会(Exhibition)
会場では、国際展示場ホール4~8を舞台に、多様なテーマのブースが設けられました。今年の「Interop Tokyo 2025」では「社会に浸透するAIとインターネット」をテーマに、AI、IoT、クラウド、エッジ、5G/6G、セキュリティといった幅広い分野を網羅する展示が展開されました。具体的な展示内容は多岐にわたり、特にAIを活用したソリューションや次世代ネットワーク関連の技術が注目を集めました。
● ShowNet(ショーネット)
Interop Tokyoの最大の特徴が「ShowNet」です。これは、会場全体を網羅する巨大なライブネットワークを、イベント期間中にトップエンジニアたちが実際に構築・運用するプロジェクトです。最新のネットワーク機器や技術が導入され、各出展ブースのデモンストレーションを支える基盤となりました。ShowNetは、技術者にとっては最先端のネットワーク構築・運用技術を学ぶ場であり、来場者にとっては、実稼働する巨大ネットワークの裏側を垣間見ることができる貴重な体験の場です。
● カンファレンス(Conference)
会期中、複数の会場で専門性の高いカンファレンスセッションが開催されました。業界の第一線で活躍する識者や企業のキーパーソンが登壇し、最新の技術トレンド、市場動向、導入事例、そして未来の展望について講演を行いました。質疑応答の時間も設けられ、参加者が疑問点を直接質問し、深い知見を得る機会となりました。
● Keynote Speech(基調講演)
開催期間中には、特に注目度の高いトップリーダーや著名な研究者による基調講演も行われました。彼らの講演は、業界全体の方向性や、今後の社会にICTがもたらす影響について、示唆に富んだ洞察を提供しました。
ビットメディア高野氏、2つの「ワット・ビット連携」セッションに登壇!

今回のInterop Tokyo 2025では、デジタルコンテンツ配信の最前線を牽引するビットメディア株式会社 代表取締役の高野雅晴が、電力とICTの融合をテーマとする「ワット・ビット連携」に関するセッションに登壇しました。それぞれのセッションで、未来の社会インフラにおける電力とデータのあり方が深く掘り下げられ、聴講者の大きな注目を集めました。
セッション1:ワット・ビット連携(1)「余剰電力コンピューティング」
このセッションでは、高野氏の他に、株式会社アジャイルエナジーX 代表取締役社長の立岩 健二氏、早稲田大学大学院 経営管理研究科 教授の斉藤 賢爾氏が登壇し、議論が交わされました。
・データセンターと電力消費の現状
急速に進化するデータセンターは膨大な電力を消費しており、その持続可能性が大きな課題となっている。
・余剰電力の有効活用
再生可能エネルギーの導入が進む中で発生する「余剰電力」をコンピューティングリソースに活用する「余剰電力コンピューティング」という新たなアプローチが注目されている。
・電力とICTの効率的な連携
電力とICTをいかに効率的に連携させ、持続可能なデータセンター運営や新たなコンピューティング環境を構築できるか、その可能性について活発な議論が展開された。
セッション2:ワット・ビット連携(3)「ワット・ビットとデータセンター・デジタルインフラ」
続いてのセッションでは、高野氏に加えて、東京電力パワーグリッド株式会社 取締役 副社長の岡本 浩氏、株式会社ユーラスエナジーホールディングス 代表取締役社長の諏訪部 哲也氏、東京大学大学院 情報理工学系研究科 教授の江崎 浩氏が登壇し、社会インフラとしてのデータセンターと電力システムの関係性に焦点を当てた議論が行われました。
・社会インフラとしてのデータセンターの重要性
デジタル化が進む現代社会において、データセンターは通信・情報基盤の中核を担う社会インフラとしての役割を強めている。
・持続可能なデジタルインフラの構築
エネルギー供給の安定性確保、再生可能エネルギーの導入、デジタルインフラ全体のレジリエンス(回復力)強化といった喫緊の課題に対し、具体的な展望が語られた。
・電力とICTの効率的な連携
電力とICTをいかに効率的に連携させ、持続可能なデータセンター運営や新たなコンピューティング環境を構築できるか、その可能性について活発な議論が展開された。
・ワット・ビット連携の多角的な視点
高野氏は通信・映像分野の専門家としての視点から、電力とデータの「ワット・ビット連携」が今後の社会インフラ全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)にいかに貢献できるか、示唆に富んだ知見を共有しました。
Interop Tokyo 2025が繋ぐ、次なる進化への期待!

今回のInterop Tokyo 2025は、最新のICT技術が社会のあらゆる層に浸透し、私たちの生活やビジネスを大きく変革していく可能性を強く示唆するものでした。展示会の活気、充実したカンファレンス、そして最先端の「ShowNet」は、ICTの現在地と未来への道筋を明確に示し、参加者に大きな刺激を与えました。
AIのさらなる進化、ネットワークインフラの高度化、そして電力システムとの融合——。2025年に見られた技術の潮流は、今後どのような形で進化していくのでしょうか。このイベントで得られた知見と熱気を胸に、すでに来年の「Interop Tokyo 2026」への期待が寄せられています。
Interop Tokyo 2026は、2026年6月10日(水)から12日(金)までの3日間、開催される予定です。
来たるイベントでは、今回の展示や議論が具体的にどのようなソリューションとして実を結び、私たちの社会に実装されていくのか、その進化を見届けるのが今から楽しみでなりません。来年も幕張メッセで、新たな未来に出会えることを心待ちにしています。
◇ Interop Tokyo 2025 ◇
*会場で聴講できなかったセミナーを無料配信中*
≫視聴方法はこちら
【配信期間】2025年6月30日(月)~7月25日(金)17時まで
◇ Interop Tokyo カンファレンス 2025 ◇
Interopと同時に国際会議場にて開催された有料カンファレンス。
展示会や基調講演では語られない、よりディープで有益な情報を共有する場として、インターネット分野のエキスパートが今年も多数登壇!
*アーカイブ配信中!高野氏が登壇したセッションもご覧いただけます*
≫詳しくはこちら
【配信期間】2025年6月30日(月)~10月31日(金)17時まで
※お申込み締切:2025年9月30日(火)17時まで