『北陸放送機器展 2025』レポート:
未来を拓く北陸最大級の祭典
~メディアを超えて新しい価値を創造する~

2025/09/26
『北陸放送機器展 2025』レポート:未来を拓く北陸最大級の祭典 ~メディアを超えて新しい価値を創造する~

2025年9月18日から19日の2日間、富山県富山市の富山県民会館で「北陸放送機器展2025」が開催されました。今年で2回目を迎えたこのイベントは、北陸地方で最大級の放送機器展示会として、その地位を確固たるものにしつつあります。

本展は、北陸・富山で開催される大規模なメディア総合イベントであり、映像制作や音声制作向けの機器をはじめ、関連する周辺機器やサービスなどを、メーカーや販売会社が最新の技術デモンストレーションやセミナーを通じて紹介しました。

このイベントを主催する神成株式会社は、今年のテーマに「Beyond Media: Creating New Value ~メディアを超えて新しい価値を創造する~」を掲げています。これは、単に最新機器を展示するだけでなく、それらがもたらす「未来の映像制作」や「新たな表現方法」を提示しようとする強い意志が表れています。

展示会を彩る多様なコンテンツ

今回の展示で特に注目を集めたのは、IPとSDIを融合させたハイブリッドソリューションでした。

リーダー電子株式会社は、IPとSDIの両方に対応するハイブリッド波形モニターやPTPグランドマスターを展示し、今後の映像伝送の主流となるであろうIPベースシステム構築におけるキーデバイスとして高い関心を集めました。

また、イメージニクス株式会社は、4K HDMIや12G-SDIに対応したスイッチャーやコンバーター類を実際に動作させて紹介。特に本展示会で初発表となった4K対応製品は、高画質化が進む制作現場のニーズに確実に応えるものでした。

多くの来場者でにぎわう展示会場

制作現場の多様なニーズに応えるソリューション

展示は、大規模な放送局向けの機材だけに留まりませんでした。ビデオトロン株式会社は、コンパクトな分配器やコンバーター類を展示。特にモジュールタイプの製品は、コストを抑えつつも高品質なシステムを構築したい制作会社やクリエイターにとって、魅力的な選択肢となっていました。

これらの展示から、放送・映像業界が従来の「大型・高価な機材」から、「効率的で柔軟なソリューション」へとシフトしているトレンドが読み取れます。IP化、4K/8Kといった高画質化、そしてリモート制作への対応など、多様なニーズに応える技術が、この北陸放送機器展で一堂に会したと言えるでしょう。

PRONEWSと連携したクリエイターステージ

特設ステージ PRONEWS STATIONの様子

さらに、今回の展示会で特に異彩を放っていたのが、映像クリエイター向け総合情報サイトPRONEWSとのコラボレーションによる特設ステージ、「PRONEWS STATION」でした。

この特設ステージでは、より実践的でクリエイティブなコンテンツが展開されました。単なる製品説明ではなく、第一線で活躍するプロフェッショナルたちが、自身の経験に基づいたノウハウやトレンドを直接語りかける、熱のこもったセッションが繰り広げられました。

ストリーミングのワークフローを解説するDPSJ 取締役COO 井上氏(右)と NETGEAR ProAV Engineer 鹿志村氏

PRONEWS STATIONでは、DPSJの取締役COO 井上高治が登壇。「AI vs DPSJ井上さん ~放送業界のIP最前線~」と題し、放送に関連するIPの最先端知識をテーマにしたクイズでチャットAIと対決しながら、放送業界で急速に進むIP化の最前線を楽しく紹介しました。

「北陸放送機器展2025」は、単なる機材展示の場に留まらず、PRONEWSとの連携によって「クリエイティブの学びと交流の場」へと進化を遂げています。この取り組みは、地方のクリエイティブシーンを活性化させる重要な一歩と言えるでしょう。

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