第46回エネルギーフォーラム賞 贈呈式:
ビットメディア高野 雅晴が優秀賞を受賞
3月17日(火)、東京・経団連会館にて第46回「エネルギーフォーラム賞」の贈呈式が華やかに開催されました。
数ある優れた著作の中から、今回、株式会社ビットメディア 代表取締役・高野雅晴と東京電力パワーグリッド株式会社 取締役副社長・岡本浩氏との共著による書籍『経営に生かす 生成AIエネルギー論』が優秀賞の栄誉に輝きました。
「エネルギーフォーラム賞」
1980年に創設されたこの賞は、その年に刊行された邦人によるエネルギー・環境問題に関する著書を関係各界の有識者らによるアンケートによる結果を参考にして、選考委員会が選定し顕彰するものです。業界で権威ある賞の一つで、複雑化するエネルギー問題の発展に貢献した作品に授与されます。


『経営に生かす 生成AIエネルギー論』の選評
今回の選考では、本書がAIとエネルギーを掛け合わせた経営の実例・構想が豊富に取り上げられており、さらにAIの専門家を交えた鼎談が、エネルギーとAIの専門的な見地に説得力を持たせている点が評価されました。エネルギーのハイブリット供給体制の構築を検討していく上でも参考にすべき一冊と好評を受けています。
高野が語る「ワットとビットの融合」

贈呈式に登壇した高野氏は、共同著者の岡本氏や編集担当者への謝辞を述べた後、本書の背景にある「電力とデジタル」の急速な結びつきについてスピーチしました。
高野氏は元々『日経エレクトロニクス』の記者であり、その後25年にわたりデジタル領域で会社経営を行ってきた背景を持ちます。かつてIT機器が消費する電力は全体需要の「せいぜい1〜2%」と少なかったものの、ブロックチェーンのマイニングや、近年の生成AIの爆発的普及により、その状況は一変したと指摘します。
そして今後のAIは、人間がプロンプトを入力して答えるだけでなく、AI同士が常時連携して熟考する「エージェントAI」の時代へと進み、さらにはタンパク質構造解析に代表される「AI for Science」へと発展していくと展望。これにより、「電力がまさに知能の根源と直接つながる時代になった」と語りました。
ワット・ビット連携が握る日本の国力
こうした背景から、高野氏が本書を通じて強く提唱しているのが「ワット・ビット連携」の重要性です。
高野氏はこの新しい連携を「ワットとビットの二刀流」と表現しました。デジタル技術(ビット)だけでなく、それを動かすエネルギー(ワット)も含めた新しいインフラを、日本国内にどのように残し、未来へ繋いでいくかが喫緊の課題であると提起しています。
特に強調されたのが「デジタル赤字」への強い危機感です。
AIの稼働に必要な計算資源(GPUなど)を設置したくても、「国内に十分な電力がないために設置できない」という事態になれば、日本企業は海外のAIサーバーに依存せざるを得ず、結果として日本のデジタル赤字はますます拡大してしまいます。
高野氏は「計算資源が国内にあること自体が、国力につながる」と断言し、そのための電力を国内で確保することが、「ワット・ビット連携」の最大の目的であると説明しました。
ゼロベースのまちづくりでの実装へ向けて
最後に高野氏は、概念の提唱にとどまらず、自身が参画する福岡県糸島市の「糸島サイエンス・ヴィレッジ」の取り組みを紹介。「ゼロベースのまちづくりの中で、エネルギーとデジタルを融合させ、若い世代が活躍できる環境を作っていきたい」と今後の展望を語り、スピーチを締めくくりました。

>過去のインタビュー記事はこちら
4/8(火)発売『経営に生かす 生成AIエネルギー論』著者・高野雅晴氏インタビュー(2025.04.07)