アカデミーキャンプが「Maker Faire Tokyo 2023」に出展
10月14日(土)、15日(日)に東京ビッグサイトで開催された「Maker Faire Tokyo 2023」にアカデミーキャンプが出展しました。アカデミーキャンプは、支援先スタートアップの1社であるビヨンドブロックチェーン株式会社ファウンダーの斉藤賢爾氏が代表を務めており、東日本大震災と原発事故のあった2011年から活動を開始。福島を中心とする全国の子どもたちのためのキャンプです。2023年は生成AIを使った活動をしており、今回のイベントではこれまでの活動を通して小中学生たちが自動生成の助けを借りて創造した作品群とその創造プロセスを紹介。Devcafeでも行われた活動の成果をお披露目する場となりました。
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まず2023年のアカデミーキャンプの活動として、1月に行ったのがAIを使った絵本作り。ChatGPT3.5を使ってストーリーを作成し、DreamStudioというStable Diffusionを活用した画像生成AIを使って絵を作成。それらを組み合わせて絵本を作成し、完成したものを実際に製本して会場にも展示しました。
>「アカデミーキャンプ 2023冬『AIと描く近未来の絵本』イベントレポート」はこちら
そして、5月にはシリアスRPGの作成を本格的に始動。シリアスRPGとは、世界の問題(例:SDGs のゴール)に取り組むためのロールプレイングゲームです。自分たちでテーマを決め、シリアスRPGを生成するプロンプトを作成。そしてChatGPT4を使って実際にゲームを行いました。環境問題などの壮大なテーマから学校の宿題がなくなってほしいなどの身近なテーマまで、さまざまな角度からテーマを決めて作成したゲームを、会場でも実際にプレイしていただける形となりました。
>「アカデミーキャンプ VR&(あーんど)RPG 2023.5 "Don't Be So Serious"レポート」はこちら
また5月の活動から派生して、一人の女性の高専生がMinecraftでプレイするシリアスゲームを開発しました。これはリサイクルの大切さや面白さを体感できるゲームで、ChatGPT4の助けを借りながらMinecraft統合版で制作したそう。これを7月にみんなでプレイする機会が設けられ、今回の会場にも出展しました。
さらに8月には、ChatGPT4を使って読書感想文の自動化に挑戦。実は2018年に一度挑戦したものの、この時は人間の感想に基づかないと読書感想文にならないため、勝手に読書感想文が生成されるということはないという結論に至ったそう。そこで次は、本を読んでChatGPT4からの「この本を読んだというあなたは誰?」という趣旨の15個の質問に回答。それに基づいて読書感想文を生成するというプロンプトを作ると、読書感想文を自動化することに成功。この活動についても展示会で発信しました。
イベントでは来場者の方からも好評で、楽しんでいただけたようです。現在は興味を持った複数の方たちからの声を受けて、ゲームのプロンプトやプレイ動画の公開も進めています。またアカデミーキャンプの子どもたちも、出展者として責任を持って説明するという体験ができてよかったとのこと。さらに他のブースでもさまざまな展示に触れて体感することができ、楽しんでいる様子でした。
今回、斉藤さんによると来場者の方にゲームなどを実際に体験していただくにあたって、通信の接続が悪くなってしまう場面が多々あったといいます。その場合にはプレイ動画をお見せしていましたが、やはり通信に必要になってくるのが“5G”。斉藤さんも「こういった大きな展示会では5Gは必須」だと話していました。次回は5Gを使って、よりスムーズな運営が期待されます。今後のアカデミーキャンプの新しいチャレンジにも注目です!